GDPの構成要素

支出の観点から見たGDPは、消費、投資、政府支出、純輸出(輸出から輸入を差し引いたもの)の4つの要素で構成されています。

GDPの構成要素の式

以下はGDPの構成要素を示す式であり、これらの変数の定義から導かれる真実であるべき関係式です:

\[ Y = C + I + G + NX \]

ここで:

\[ NX = X - M \]

  • Y: 国内総生産 (GDP)
  • C: 消費
  • I: 投資
  • G: 政府支出
  • NX: 純輸出
  • X: 輸出
  • M: 輸入

消費

消費支出には、個人が財やサービスに費やす支出が含まれます。ただし、住宅購入は除外されます。耐久財(自動車や家電製品など)、非耐久財(食品など)、サービス(宅配や理髪サービスなど)が含まれます。慣例として、教育費も消費支出に含まれますが、投資支出と見なすべきだという議論もあります。

投資

投資支出には、企業用資本、住宅用資本、在庫の購入が含まれます。投資とは、将来さらに多くの財やサービスを生産するための目的で財やサービスを購入することです。企業用資本には、工場やオフィス、機械、設備、知的財産が含まれ、住宅用資本には、賃貸用および自宅用の住宅が含まれます。慣例として、住宅購入は消費ではなく投資と分類される唯一の家庭支出です。

在庫には特別な扱いがあります。企業が新しい財を生産して在庫に加えた場合、それは企業自身が購入したと見なされ、在庫投資として計上されます。その後、その財が生産で使用されたり販売されたりした場合、その価値は在庫投資から差し引かれます。これは、GDPが特定の期間内の生産の価値を測定することを目的としており、在庫に追加された財はその期間内に生産されたものだからです。

政府支出

政府支出には、地方、州、国家レベルの政府が財やサービスに費やす支出が含まれます。政府が財を購入したりサービスを契約したりする場合(例:公立学校の教師の給与、政府機関のオフィス用品、公共安全のための給与、州庁舎の公共料金)、これらはGDPに加算されます。しかし、失業補助金や高齢者・子供への移転支払いなどの政府の移転支出はGDPには含まれません。これらは政府が何かを購入しているわけではなく、家計の収入を変える補助金(経済的には負の税金)であり、経済の生産を反映していないからです。

純輸出

純輸出は、輸出から輸入を差し引いたものです。輸入は必ず他の3つの構成要素のいずれかに含まれるため、輸出から差し引かれます。家庭、企業、または政府が輸入品を購入すると、それは消費、投資、または政府支出として加算され、輸入として差し引かれます。このようにして、海外で生産された財の支出が経済の総生産の測定に影響を与えないようにします。

そのため、輸入品の購入はGDPに影響を与えません。輸出純額が消費、投資、または政府支出の増加と同じ量だけ減少するからです。

総支出 vs 総所得

これらは支出の観点から見たGDPの構成要素です。経済で費やされる各単位のお金はこれら4つの構成要素のいずれかに含まれます。したがって、これらの合計はGDPと一致するはずです。一方、所得の観点から見ると、GDPのレベルは同じです。経済で使われる1ドル、1ユーロ、または1円は、その取引相手の所得となるからです。このため、総支出と総所得は常に等しくなります。ただし、実際には測定の困難さから若干の差異が生じる可能性があります。そのため、データの正確性と一貫性が極めて重要です。

GDP