短期総供給曲線

短期総供給曲線は、短期的に企業が各価格水準で提供する財やサービスの量を示します。言い換えれば、提供される財やサービスの量と価格水準との関係を表します。総需要曲線とは異なり、総需要曲線の傾きは常に右下がりですが、総供給曲線の傾きは時間軸によって異なります。

短期総供給曲線のグラフ

短期的には、総供給曲線は正の傾きを持ちます。これは、短期的に一般物価水準の変化が総供給に影響を与えることを示しています。傾きが正であるため、物価水準と総供給の関係も正の相関があります。物価水準が上昇すれば総供給も増加し、物価水準が低下すれば総供給も減少します。グラフでは、物価水準が P1 から P2 に低下すると、短期的には総供給が Y1 から Y2 に増加します。

総供給曲線が正の傾きを持つということは、一般物価水準が総生産量に影響を与えることを意味します。名目変数(物価水準)が実質変数(供給量)に影響を及ぼしているという事実は、短期と長期の主な違いの一つです。長期では、名目変数が実質変数に影響を与えないという仮定が置かれるためです。このため、短期と長期の総供給曲線は区別されます。短期の曲線は、物価水準が総供給に影響を与えることを示しており、正の傾きを持ちます。一方、長期の曲線は、物価水準が総供給に影響を与えないことを示しており、垂直になります。